セーフティサブアセッサの学科試験でほぼ必ず出題される内容を紹介させて頂きます。
今回は「安全と距離と時間」についてです。
!!試験では重要度高となる為、みなさん必ず覚えましょう!!
目次
- 時間と距離による安全
- 保護装置(ライトカーテン)の必要な最小距離
- 保護装置(マットスイッチ)の必要な最小距離
- 保護装置(両手スイッチ)の必要な最小距離
- まとめ
時間と距離による安全
センサ等を用いてリスクを低減を図る場合、動いている危険源に触れないようにするため、動いている危険源は停止するまで、時間とその分危険源と最小距離を確保する必要があります。
最小距離の求め方は以下の通りです。
最小距離 = 接近速度 × 停止時間 + 侵入距離 ( S = K × T + C )
項目 | 記号 | 単位 | 内容 |
接近速度 | K | mm/sec | 人が危険源に近づいていく速さ |
停止時間 | T | sec | センサが反応してから機械が停止するまでの時間 |
侵入距離 | C | mm | センサの隙間から検出される手が入る距離 |
最小距離 | S | mm | 危険源が動いている間に触れることが出来ないセンサから危険区域の距離 |
ちなみに、接近速度の例ですが、腕を振る速度は2,000mm/sec 歩く速度は1,600mm/sec とされています。
保護装置(ライトカーテン)の必要な最小距離
保護装置で良く使用されるものに「ライトカーテン」があります。
ライトカーテンは等間隔にセンサが設置されており、侵入距離はセンサの間隔(検出能力d)によって決まり、何を検出対象とするかで、適切な検出能力が決まります。
検出能力d(mm) | 検出対象 |
14 | 指 |
25 | 手 |
45 | 足、人体 |
実際はどれぐらいの侵入距離となるのでしょうか?
この数値を参考にして、ライトカーテンの選定をしてみてください。
検出対象 | ー | 指~手 | 足~人体 |
検出能力d(mm) | 14<d | 14≦d≦40 | 40<d<70 |
侵入距離C(mm) | 0 | 8×(d-14) | 850 |
接近速度K(mm/sec) | 2,000(腕を振る) | 2,000(腕を振る) | 1,600(歩く) |
最小距離C(mm) | 2,000×T | 2,000×T+8×(d-14) | 1,600×T+850 |
保護装置(マットスイッチ)の必要な最小距離
ロボットなどに近づかせない方法として、マットスイッチもあります。
マットスイッチの侵入距離はマットスイッチの設置している高さで決まります。
マットスイッチの 高さh(mm) | – |
侵入距離C(mm) | 1,200ー0.4×h |
接近速度K(mm/sec) | 1,600 |
最小距離S(mm) | 1,600×T+(1,200ー0.4×h) |
また、マットスイッチは跨いでしまうことを防ぐために、幅は750mm以上と決められています。
保護装置(両手スイッチ)の必要な最小距離
鍛造機やプレス機といった設備には必ずと言っても両手スイッチが使用されています。
両手スイッチは両手で押す必要があり、動きにくいことから侵入距離は一定値となっています。
侵入距離C(mm) | 250 |
接近速度K(mm/sec) | 1,600 |
最小距離S(mm) | 1,600×T+250 |
まとめ
- S=K×T+C を必ず覚えましょう
- 最小距離=侵入速度×停止時間+侵入距離 を必ず覚えましょう
- ライトカーテンは検出能力dによって侵入距離が変化します
- マットスイッチは設置された高さhによって侵入距離が変化します
- 両手スイッチは侵入距離250mmで固定されています